金融業界は一般に高収入で、社会的信用も大きいというイメージが強いため、就活生にはとても人気のある業界です。
さらに金融業界には、銀行や証券、保険にリースなど様々な業種があり専門的な用語も多いため、敷居の高い業界という印象を持っている学生も多いかもしれません。
また、金融業界を志望している就活生の中には「金融業界のビジネスモデルって?」「金融業界は安定してるの?」と悩まれる方も多いと思います。
そこで今回は、金融業界の大まかな概要や動向について説明し、その中でも特に、北海道内での就職を考えている就活生が特に気になっているであろう銀行業界に焦点を当てて解説していきます。
- 金融業界の概要
- 金融業界のビジネスモデル
- 金融業界の現状と今後の動向
これらについて解説するので、ぜひご覧ください!
目次
金融業界の概要
そもそも金融業界の「金融」とは、資金余剰者から資金不足者に対して資金を融通するという意味であり、以下の2つに大別されます。
- 直接金融
- 間接金融
両者の主な違いは金融のプロセスに金融仲介機関が介入しているかどうかであり、代表的な例として、前者には証券会社、後者には銀行があります。
主な道内の金融機関
北洋銀行、北海道銀行、北海道労働金庫、北海道信用金庫、旭川信用金庫、帯広信用金庫、苫小牧信用金庫、北海道リース、中道リース、北海道信用保証協会、北海道信用農業協同組合連合会(JA北海道信連/JAバンク北海道)など
金融業界のビジネスモデル
今回は銀行業界に焦点を当てて解説していきます。
基本的な銀行のビジネスモデルは以下の2つに大別できます。
<銀行のビジネスモデル>
- 個人や法人から預金を預り、そのお金を別の個人や法人へ貸し出す。(金融仲介機関としての機能)その際に預金者へ支払う金額を決める金利である「預金金利」と、貸出先から回収する金額を決める金利である「貸出金利」の差である「利ざや」(貸出金利-預金金利)に基づいて利益を得る。
- 個人や法人から預かった預金を使って、債権(国債や社債)や株式といった「証券」を購入し、その運用利益や売却益(売却金額-買入金額)から利益を得る。
金融業界の現状と今後の動向
現在、銀行業界は大きな変革の時期にあるとされており、その大きな要因として、金利収入の低下や少子高齢化の進行、AIの発展にFintechの台頭が挙げられます。
<金融業界の現状と今後の動向>
- 日本銀行による金融政策
- 少子高齢化
- AIによる業務効率化
- フィンテック
- 金融業界の業務の多様化
日本銀行による金融政策
先ほど、銀行業界の代表的なビジネスモデルは預金と貸出金の金利差から得られる金利収入と債券等の運用利回りから得られる利益の2つであると説明しましたが、両者とも、日本銀行が行っている大規模な金融政策や趨勢的なGDPの低下により大幅な減少傾向にあります。
少子高齢化
少子高齢化の進行によって、国民のライフスタイルが大きく多様化し、人々は新たな老後の人生設計や資金の必要性を感じています。
直近の身近なニュースとしては、老後資金3000万円の問題は記憶に新しいと思います。
AIによる業務効率化
AIの発展により業務の効率化が行われ、人員の削減やそれに伴った店舗の削減、合併など多くのAI化が進んでいます。
実際に毎年少しずつではありますが、採用人数を減少させている金融機関も数多くありますし、最近では某都市銀行が大規模な人員削減を数年かけて行うことを発表しました。
Fintech(フィンテック)
そして最後の「Fintech」とはFinanceとTechnologyの2つを掛け合わせた造語であり、従来の金融サービスに情報技術を結び付けることで生み出される新しいサービスや、そういった動き全般を指す言葉です。
2000年代前半から使われ始め、現在では世界中で多くの人に使用されています。
具体的には、数年前に話題になった仮想通貨やブロックチェーンの技術等に利用されており、身近なところでは、オンラインでの送金やモバイル決済などのシステムに利用されています。
金融業界の業務の多様化
こういった様々な影響を受け、金融業界は様々な新サービスを導入しようとしています。
1つ目の金利収入の減少を補うためには、法人業務におけるM&Aや事業承継の仲介業務、2つ目の人々のライフスタイルの多様化や資金需要に関しては、多様なライフプランニングの作成や資産運用のコンサルティングが挙げられます。
またFintechの台頭に関しては、オンラインの口座開設や資産運用のための自社アプリの開発等が挙げられます。
まとめ:金融業界の業界理解を深めよう!
金融業界(特に銀行業界)の概要やビジネスモデル、今後の動向について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
金融業界はとても人気の業界で志望倍率も高く、複雑な言葉が多いことから難しい印象をお持ちの方も多かったと思いますが、本記事が皆さんの就職活動を進めるうえでの一助となれば幸いです。
<まとめ>
- 金融は直接金融と間接金融の2つに大別できる
- さまざまな要因により、金融業界の構造は変化している
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